実装技術2月号2013年特別編集版 page 34/44
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52これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第23回 EMIの原理と対策1.『Nintendo Wii U』 任天堂(株)から、最新のゲーム機『NINTENDO Wii U』が発売されました。 任天堂のホームページには、このWii Uの開発話があ....
52これあれ塾前田真一の最新実装技術連 載第23回 EMIの原理と対策1.『Nintendo Wii U』 任天堂(株)から、最新のゲーム機『NINTENDO Wii U』が発売されました。 任天堂のホームページには、このWii Uの開発話があり、興味深いのですが、その中に特に興味を引かれる写真があります(図1)。 これは、ヒートシンクシールドと呼ばれる部品で、ヒートシンクからの電磁放射を遮蔽して、EMI 対策部品です。 分解記事や写真を載せるIFixit の写真では、Wii U の製品ではこのヒートシンクを含め、基板全体をシールドする機構が用いられています(図2)。 このWii Uだけではなく、現在の電子機器ではEMI 対策は機器開発のもっとも大きな問題となっており、対策にかかる時間とコストも非常に大きなものとなっています(図3)。2.EMCは最大の問題 電磁ノイズ(EMC=ElectromagneticCompatibility)には電磁ノイズを発生するEMI(Electromagnetic Interference)と電磁ノイズを受けて回路が誤動作するEMS(Electromagnetic Susceptibility)の2種類があります(図4)。 病院や電車の優先席付近では、携帯の電源を切るように求められますが、これは実際に、埋め込みのペースメーカーが外部からの大きな電磁ノイズで誤動作するからです。 また、飛行機の離着陸時にも電子機器の電源を切ることが義務づけられています。これは、飛行機の機器が電子機器が発生する電磁ノイズで誤動作して事故が発生しないようにする安全対策です。 このように、電子機器が発生する電磁放射ノイズは他の電子機器に与える影響が大きいので、その放射量に対して強い規制がかけられています。 この規制は、国や地域ごとに独自の規格になっています。 たとえば、国際的な規格としてはCISPR(国際無線障害特別委員会)、地域規格としては、NAFTA(北米自由貿易圏)、EU(欧州連合)、EFTA(欧州自由貿易連合)などがあり、国別の規格で図2 Ifixit の写真http://www.ifixit.com/Teardown/Nintendo+Wii+U+Teardown/11796/1l 図4 EMCとEMI、EMS図1 『Nintendo Wii U』のHPに載っている写真図3 EMC対策例