実装技術2月号2013年特別編集版 page 28/44
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343.印刷 印刷工程はきわめて重要なプロセスで、ここでの印刷品質が、実装全体の歩留まりを左右するともいわれている1)。印刷後検査を実施していない場合、リフロー工程の問題と混同し、印刷工程での異常はわかり....
343.印刷 印刷工程はきわめて重要なプロセスで、ここでの印刷品質が、実装全体の歩留まりを左右するともいわれている1)。印刷後検査を実施していない場合、リフロー工程の問題と混同し、印刷工程での異常はわかりづらい。 印刷工程の不良原因は、『設計、条件設定』『部材の経時変化』の二つに大別できる。(1)設計、条件設定 設計、条件設定が原因の異常では『パッド見え』『チップ立ち』『はんだブリッジ』『はんだ少』などがある。 図9 のパッド見えは、マスクと基板のずれが原因であった。パッドぬれ性に起因するはんだはじきであればランダムに発生するが、一定方向に偏っていることから原因が判明した。 図10 のチップサイドボールは、電極の内側にマスク開口が広いと発生しやすい。また、パッド周辺にシルク印刷している場合(図11)、マスク浮きが原因で、印刷かすれによるはんだ少やにじみが発生しやすい。0603、0402などの微小チップを搭載する場合は、特に注意が必要となる。(2)部材の経時変化 ソルダペーストを長時間使用していると、徐々に、はんだショート、未はんだ(はんだ少)が増加する。これはペーストの『粘性変化』『粘着性低下』によるもので、図12に示す、金属塩の形成によるはんだ粉の凝集が主原因と考えている2)。また、ペースト種や使用環境に影響されることも知られている3)。ペーストの粘性変化例を図13、図14 に示す。 この対策を以下に示す。 はじめに、使用しているペーストの特性を把握し、①?③の対策を講じる。 ①ソルダペースト変更 ②作業場(印刷機内)の環境改善 ③ソルダペースト追加、廃棄タイミング変更 当社では、温湿度を違えてペーストの経時変化を評価する装置を作製し(図15)、連続印刷時のペースト特性把握を推奨している。 長期使用による、スキージの摩耗、スクリーンマスクの劣化も問題になる。メタルマスクでは、『潰れはんだによる基板との密着不良』『マスクテンションの低下』による、ショートやはんだかすれの増加が懸念されるため、定期検査が必要となる。図9 パッド見え図12 増粘したペーストのSEM写真図10 チップサイドボール(ハリマ化成(株)より提供)図11 パッド周辺のシルク印刷