実装技術2月号2013年特別編集版 page 14/44
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12検査装置・技術の最新動向進化する外観検査技術12 はじめに 今日、電子機器製造の拠点は中国をはじめアジア、東欧、北アフリカ、中南米へと広がっている。こういった新興国では、目覚ましい経済発展を遂げる....
12検査装置・技術の最新動向進化する外観検査技術12 はじめに 今日、電子機器製造の拠点は中国をはじめアジア、東欧、北アフリカ、中南米へと広がっている。こういった新興国では、目覚ましい経済発展を遂げる一方で、特に都市部では賃金の上昇が物価上昇に追い付かず、現場で働く人々は生活のためにより高い給与を求めて転職を繰り返す状況に陥っている。生産現場での中核エンジニアの平均勤続年数ですら、数年前の8~10 年から、昨年は3 年を切るという状況に至り、安定した品質で大量生産を行うことが難しくなっている。 長年にわたってSMT実装工程向けの検査装置の開発に携わってきた我々にも、90 年代の日本の自動化要求よりも数段上を狙うより高いレベルの自動化が要求されている。本稿ではこれらの要求にこたえるべく開発を進めてきた装置の概要を紹介する。 次元外観検査装置『BF-10D』の 開発(図1) (株)サキコーポレーションの外観検査装置には独自開発技術であるラインスキャンテクノロジを採用している。これは、コピー機のように高速で基板全面を一括撮像する、当社の検査装置の基幹技術である。 一般的な検査装置で採用されているFOV方式は、部品の配置や基板サイズによって検査のタクトタイムが変わる。また、微細な部品をより細かく検査しようと高解像度の光学設定にすると、検査時間が大幅に増大してしまう。そこで当社では、高解像度のラインセンサカメラによる一括撮像方式を採用し、高速な検査を実現してきた。 この撮像系と合わせて開発したのが、完全同軸落射照明である(図2)。これはラインセンサの光軸と同軸に、すべての位置で検査部品に対して真上から光を照射する当社の独自技術である。これにより、隣接部品の影響を受けずに、はんだ面などの角度のある対象物を捉えることが可能となった。この照明で作成した検査ライブラリは、基板間および装置間で共有することができる。 さらに、大型視野をカバーするテレセントリックレンズの開発により、視野内の視差をなくしたことで、視野の中央から端にいたるまで、すべての位置で検査部品に対して真上から撮像することが可能になり、同軸落射照明の性能を視野内の全域で保証している。さらにこの光学系をつなぎ合わせることで、M サイズ基板を一括で読み込むことが可能である。 これらのベース技術に加えて、2013 年モデルではさまざまな新技術が追加されている。まず撮像系を全面的に見直した。新システムでは撮像速度が約(株)サキコーポレーション/ 松村 康行図1 2 次元外観検査装置『BF-10D』