実装技術12月号2012年特別編集版 page 36/42
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52 より、電源変動が大きくなった ②信号の高速化とLSI の電源電圧の低圧 化により、電源電圧変動の影響が大きく なった ③信号の高速化により、対策が困難になっ た この電圧が変動してから、電源電....
52 より、電源変動が大きくなった ②信号の高速化とLSI の電源電圧の低圧 化により、電源電圧変動の影響が大きく なった ③信号の高速化により、対策が困難になっ た この電圧が変動してから、電源電圧がもとに戻るまでの間、負荷であるLSI の電源電圧を変動させないようにバイパス・コンデンサを使います。電源電圧の変動を抑える方法はコンデンサを使用するのがもっとも効果的な方法です。 コンデンサが電源電圧の変動を抑える働きは、どちらも同じことなのですが、電荷の移動とインピーダンスの2通りで説明されます。 LSI の電源ピンとグランドピンの間にコンデンサを挿入します(図6)。電源電圧が安定している時には直流なので、コンデンサのインピーダンスは無限大で電流は流れません。このとき、コンデンサの内部には安定した電荷が蓄えられています(図7)。 電源電圧が急激に変化すると、コンデンサは内部の電荷を放出して電源電圧の変化を阻止します(図8)。 インピーダンスでいえば、急激な電源電圧の移動は、非常に高い周波数で電源電圧が変動することです。高い周波数の変動に対してはコンデンサのインピーダンスは非常に低くなるので、電流が流れても電圧変動は小さなものとなります(図9)。 ここで問題となるのはLです。Lは周波数が高くなるとインピーダンスが大きくなるので、配線やコンデンサ部品がL 成分をもつと、電源電流の変化に対して大きな電圧降下を発生させます(図10)。 LSIの消費電力の増大と動作の高速化はパスコンによる電源変動抑圧効果を著しく困難にしています。LSIの消費電力増大により、LSIに流れる電流の変化が大きくなります。個の大きな電流変化をパスコンが貯めている電荷で補正するためには大きな容量が必要となります。 単純に容量の大きなコンデンサは、応答時間が遅く、高速LSI の電源電圧補正には間に合わないので、高速応答できる、容量に小さなコンデンサを大量に使用する必要があります。 最近のLSIでは電源電圧が多様化してきて、そのおのおのに大量のパスコンを使う必要があります。このため、1 個のLSIに対して数百個のパスコンを搭載するようになっています(図11)。 LSI信号の高速化によって信号の変化によって生じる電源電圧変動も高速化しています。このため、部品としてのコンデンサもより高速動作するような製品が次々と開発されています。 また、基板設計でもバイパスコンデンサの配置、配線に対しては細かいところまで研究がなされ、詳細な設計指示がされています。電源電圧の変化はLSIの動作に影響を与えるので、LSIチップへの供給電位が安定する必要があります。 しかし、基板上に配置されたバイパスコンデンサはICパッケージの部品便の電位を安定させますが、パッケージの内部やパッケージからICチップへの接続経路で発生する電源電圧変動要素に対しては効果がありません。 このため、パッケージ内の配線基板(インタポーザ)にパスコンが配置されるようになりました(図12)。インタポーザ基板は小さく、多くのパスコンを配置する余裕がないため、部品内蔵基板が使われたりします。部品内蔵基板は配線によるL 成分が小さくでき、パスコンが高い周波数まで効果をもつようにもできます。 せっかく高価な部品内蔵基板を使っても、マザーボードでは、パスコンが高い周波数まで有効になるという部品内蔵基板の特徴の一つはあまり生かされません。 基板埋め込み基板は価格の点もあります前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図9 インピーダンスが低いと図8 コンデンサが電荷を放出電圧変動は小さい図6 コンデンサの挿入図7 コンデンサに電荷を蓄える