実装技術11月号2012年特別編集版 page 33/52
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37法については後半に紹介していたものだった。形として、すでに卒論の中間発表を終えた後に『発表技法』について紹介することになってしまったことから、学生からは、『もっと早く聞いていれば、それが役に立てるこ....
37法については後半に紹介していたものだった。形として、すでに卒論の中間発表を終えた後に『発表技法』について紹介することになってしまったことから、学生からは、『もっと早く聞いていれば、それが役に立てることができたのに……』との感想が寄せられた。そこで翌年からは、最初に『発表技法』の余談話から紹介することにした。その結果、多くの学生から卒論の中間発表でうまく活用することができましたとの嬉しいコメントとともにお礼をもらった。 そのような体験があったので、今回も『発表技法』から紹介したいと思っている次第である。それではまず最初に『発表技法』のつぼについて紹介する。■『発表技法』とは ? 技術者は、新しい技術を開発したら、その内容を分かりやすく伝えることが重要となる。場合によっては新しく開発した製品を商品化するにあたって、製造するために新たな設備が必要となるかもしれない。そのために技術者は、周辺技術を含めて分かりやすく説明して、社内の役員を説得し、必要な設備投資を促すことが重要となる。 さらに、商品化された製品は、開発者自らが顧客の前で説明する必要がある。顧客に評価してもらい、使ってもらうことが重要だからである。しかも、市場が国内のみならず海外まで広がっている今日では、『伝える技術』を磨く重要性は高い。 その説明のために必要なのが、『発表技法』である。『発表技法』を磨いていなければ、国際化の中で生き残ることが難しいといっても過言ではない。 『発表技法』に関しては、学生のためには特に講座が設けられていないため、独学で習得する必要があるようである。一方、企業では、技術者教育の一環で『発表技法』を講座として設け、新人教育に使っている例がある。しかし、発表技法のつぼとなると、企業でも紹介例は少ないようである。 筆者は、欧米企業でも活動した経験がある。欧米企業が日本企業と大きく異なる点は、会議で自分の意見を堂々と発言するということだった。そして、あまりたいしたことのない発表内容であっても、発表手法によって、その発言に重みを感じるほどの効力があるということを知った。この時に感じたのは、日本で多くみられるような根回しもそれはそれで良いのであるが、徹底的に違うのは『発表技法』だと思った。国際化の波の中で、少しでも活発な意見をいい、そして海外の人々をも説得することが重要であることを肌で感じたのであった。 発表するツールとしては、スライド、オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)、フリップチャート、液晶プロジェクタなどがある(写真1)。かつては、発表資料としては、各自でていねいに図表を書きこみ、それを撮影してブルースライド(ブルーを背景にして白の字となったスライド)にして映写機で投影していたものであった。学会発表などではこのブルースライドによる手法が主で、1970年代ぐらいまで使用されていたのではないかと思う。そして1980 年代になってOHPが登場したことによって、厄介なブルースライドの作成から解放されたのであった。OHPを用いていた際は、OHPフィルム(トランスペアレンシ)に複写機で複写し、必要な所は、カラーフイルムを貼ったり、カラーのペンで色分けするなどし、より分かりやすい資料を競って作成したものであった。 OHPがはやりはじめた頃、企業では小集団活動による成写真1スライド映写機OHP フリップチャート液晶プロジェクタ