実装技術11月号2012年特別編集版 page 20/52
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183.多面取り基板分割時の基板応力解析事例 多面取り基板の場合、ミシン目やスリットの形状によっては分割時に基板に負荷がかかり、最悪の場合には部品が外れてしまうこともある。 図4は、多面取り基板の分割時に....
183.多面取り基板分割時の基板応力解析事例 多面取り基板の場合、ミシン目やスリットの形状によっては分割時に基板に負荷がかかり、最悪の場合には部品が外れてしまうこともある。 図4は、多面取り基板の分割時において、スリットパターンA とスリットパターンB での影響の違いを評価するために、それぞれ分割破断寸前まで図4のように荷重をかけて押下させた際の状況を解析したものである。 この解析結果によるとスリットパターンA に比べてスリットパターンB の場合は分割する際に約3 倍の力が必要であることが分かった。また、分割破断寸前時には、スリットパターンAの場合には、応力がスリット間隙部に集中して付近の部品にはあまり影響を与えないのに対し、スリットパターンBの場合には、スリット間隙部付近の部品の一部に影響を与えており、最悪の場合は部品のはんだ接合部に亀裂が発生したり、部品が外れたりしてしまう可能性もある。 基板応力解析では、この他に大型基板や多面取り基板に対する自重たわみの影響やコネクタ挿入時にかかる荷重に対する基板への影響などの解析評価も可能である。4.温度サイクル試験時の熱歪み解析事例 『SimPRESSO』には、実装工程に関する解析以外のプリント基板構造解析機能も備えている。 たとえば、プリント基板の品質信頼性評価のためによく行う試験に温度サイクル試験があるが、この試験は完了までに数ヶ月間を費やす場合が多い。この試験が1 発で合格できれば問題ないが、不合格となってしまった場合には設計変更による後戻りの影響はかシミュレーション適用により実装工程のコスト・期間・品質を向上 ?リフロー解析などを簡単な操作で実現するプリント基板専用構造解析システム『SimPRESSO』?実装工程に貢献する技術・ソリューション(株)富士通システムズ・イーストなり大きい。 そこで、設計段階から温度サイクル試験に対してもシミュレーションによる事前評価をした上で基板設計を行うことにより、後工程である温度サイクル試験時での後戻りの可能性を大幅に低減することが可能である。 図5 は、温度サイクル試験において特に影響が大きいBGA部品に着目し、プリント基板の取り付け状況の違いによるバンプ部への影響を解析したものである。 BGA 部品は、モールド、チップ、インタポーザ、ランド、バンプとより詳細にモデル化して、配列している各バンプのどの部分への影響が高いかを評価できるようにしている。 基板取り付け用ボス位置変更前の解析結果によると、枠内のBGA部品のバンプの塑性歪み値が高いことが分かる。塑性歪み値が高いほど温度サイクル試験における影響が高く、値によっては試験中にこのバンプが破損してしまう可能性もある。 これに対して、中央部の基板取り付け用ボスの位置を図5 の矢印方向に変更することにより、枠内のBGA部品のバンプの塑性歪み値が低減され、品質向上につながることが分かる。 なお、『SimPRESSO』では、この解析結果から着目するバンプを選択すると図5の右側のような詳細なバンプモデルが自動作成され、より詳細な解析を行うことができ、さらに求めた塑性歪み値から寿命予測(コフィン-マンソン則)となる試験サイクル数を求めることもできる。 温度サイクル試験時の基板熱歪み解析では、この他に基板上の部品配置の影響、基板形状や配線パターン図4 多面取り基板分割時の応力解析図5 温度サイクル試験時の熱歪み解析