実装技術10月号2012年特別編集版

実装技術10月号2012年特別編集版 page 37/48

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43だ量産での実績がない状況となっている。 これら課題を解決し、製品採用を見据え、量産性の面でも有効な方法として、樹脂 - 金属間などの異種材料間を化学結合により接合する『分子接合技術7)』を、ポリイミドフ....

43だ量産での実績がない状況となっている。 これら課題を解決し、製品採用を見据え、量産性の面でも有効な方法として、樹脂 - 金属間などの異種材料間を化学結合により接合する『分子接合技術7)』を、ポリイミドフィルム上に直接めっきをするFPC に応用し、高性能で安価な新規両面FPC を開発した。2.開発したフレキシブルプリント配線板 図2 に、一般的な両面FPC と新規両面FPCの製造プロセスを示す。 一般的な両面FPC のプロセスは、2 層材または3 層材のフレキシブル銅張積層板(FCCL: Flexbile Copper CladLaminate)材を用意し、スルーホール用の穴あけ後、触媒担持、無電解めっき、またはカーボンなどの導電化処理、電解銅めっきで表裏を接続するスルーホールを形成し、パターン形成、カバーレイ貼り付け、表面処理、外形加工となる。 それに対して新規FPC のプロセスは、ポリイミドフィルムを用意し、スルーホール用の穴あけ後、分子間接合処理をし、触媒担持、無電解めっき、電解めっきで表裏を接続するスルーホールを形成し、スルーホールの側壁には表層と同等の導体厚が得られる。分子接合処理は、表面を粗化するコロナ放電、プラズマ放電、UV処理などの表面処理を一切行わないため、0.1μ m以下のメタライジング層で表面光沢を得ている。分子接合剤は水溶性であり、前処理から無電解めっきまでを一貫して水系で製造することができる(図3)。 表1の通り、分子接合処理前後で表面粗さに変化はない。ピール強度は無電解銅めっき下地、無電解ニッケル下地のどちらにおいても未処理基板と比較して大きな改善がみられた。図4 の通り、分子接合技術で作製した新規両面FPCは150℃、168 時間の熱エージング後にもピール強度がほとんど低下しない。これは分子接合に用いる化合物が銅の拡散を抑制していると考えられる。 厚みについては、ベースの銅箔がないこと、導体を10μ m 程度に薄くできること、導体を薄くすることによるカバーレイの接着剤を薄くできることなどにより、カバーレイを含めトータルで90μm厚を切る両面FPCが実現できる。 重量については、配線パターンの残銅率や厚みによって異なるが、片面がグランド、片面が信号層のマイクロスト図2 製造プロセス図3 新規FPCの断面SEM写真図4 分子接合処理で作製した新規FPCの耐熱性表1 分子接合処理したFPCの表面粗さと銅めっきとの密着力