実装技術9月号2012年特別編集版

実装技術9月号2012年特別編集版 page 34/44

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361.はじめに まずはじめに、本誌2012 年3 月号でご紹介した『北米における、手はんだ付け産業の実態』について、軽くその後のレポートをさせていただく。 同稿では、北米の手はんだ付け産業について『エージェン....

361.はじめに まずはじめに、本誌2012 年3 月号でご紹介した『北米における、手はんだ付け産業の実態』について、軽くその後のレポートをさせていただく。 同稿では、北米の手はんだ付け産業について『エージェントが非常に余裕をもって仕事をしている』『メーカー担当者がとても意欲的に仕事に取り組んでいる』とお伝えした。また『中国沿岸部にあるボーダー(国境)と北米とメキシコとのボーダーに注目したい』と結論づけたが、その後の北米エージェントや数社のメーカーとのお付き合いを通じで、この際に把握した考えが間違っていなかったと確信しているところである。 まず、北米に拠点とマーケットをもつ、いくつかのエージェントに対して、当社の汎用性の高いスタンダード製品(手はんだ付け用こて先)とその製品カタログなどを提供して市場調査を開始してもらったところ、1ヶ月ほどしてから『製品性能が高いことはわかったが、当社のセールスマンでは取り扱いが難しいようだ』との返答がかえってきた。詳しく話を聞いてみると、やはり北米自体に生産集積地がなく、汎用性の高い生産ツールの需要が非常に少ない一方で、各企業は商品のメンテナンスや不良はんだ付け個所の修正作業を抱えており、これについては特殊形状のこて先への期待があるものの、エージェントの担当者レベルでは知識が乏しく対処ができない、というものであった。要するに、北米のエージェントは既存の部品を含めた生産ツールをすでに数多く保有しており、客先の要望に応じて提供できる環境は整えているものの、特殊な案件に対しては対処できるセールススキルが備わっていないということでした。たまたま、当社がコンタクトをしたエージェントの中での傾向ではあるのだが、いわゆる通販的な対応で事業が成立しているということなのであろう。 同時に、メキシコボーダーに近いエージェントでは、エリアを区切った代理契約の話まで進んでいるケースもあり、これは汎用性のある生産ツールとして高品質な製品訴求ができるマーケットを保有しているために、興味を抱いていただけているとみて間違いないところである。 また、いくつかのメーカーについては前述の通りに意欲的な話が進んでおり、中には長期的な視点での開発案件にまで達している案件も存在している。当社の企業規模からみて、頻繁な訪米機会がつくれないことから、半年や一年といったスパンでの開発協力になることを提案しても長期的な視点で捉えてくれているのか、快諾いただくケースが多いこともこのエリアの特徴であると感じている。 取り扱う生産材にもよると思うが、北米に関しては、俯瞰した戦略的なスタンスで長期的にマーケットへの参入を検討する必要があると判断している。当社のような小規模メーカーでは、世界の生産市場に対して同時のアプローチをするほどの企業力がないため、すぐの北米進出は難しい話なのであるが、数少ない案件を確実に実らせながら次の段階への足がかりにしていくつもりである。もともと2 週間の訪米という短い期間だったのであるが、自社の足で北米という産業先進国の実情を把握するために訪米した経緯もあったので、これら方向性を見定めることができたことは大きな収穫になった。 北米市場についてはまた進展があった時にご紹介したいと考えている。 さていよいよ本旨の本題に入るが、昨年までのアジア・ASEAN 圏(5 ヶ国7 都市)での単独による産業展示会出展と市場調査の傾向から、当社では本年度の注力エリアを中国に絞ってみることにしている。すでに春先からはじまっているのだが、今年の秋口にかけてまでは華北、華東、華南セラコート工業(株)/ 北見 勝中国の展示会を通して思う、中小企業や経営者が抱くべき視点のもち方