実装技術8月号2012年特別編集版 page 41/48
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55た。そして、このファイルにはガーバデータに比べ、はるかに多くのCAD 設計情報が含まれています。このため、CADシステムだけではなく、伝送線路シミュレータなど多くのシステムがこの.dsnファイルの読み込み機能....
55た。そして、このファイルにはガーバデータに比べ、はるかに多くのCAD 設計情報が含まれています。このため、CADシステムだけではなく、伝送線路シミュレータなど多くのシステムがこの.dsnファイルの読み込み機能をサポートしました。.dsnファイルがCADデータ変換の新しいデファクト・スタンダードとなりました。その後、CCT 社がCadence社に買収されたため、Cadence 社以外のCADベンダは自社で自動配線機能を開発したりし、徐々にこの自動配線は使われなくなってきました。 CADベンダー各社にとってCCT社が販売するSPECCTRA自動配線自体が有償オプション機能であったため、.dsnファイルインターフェイスも有償オプションとなっているため、普及はガーバファイルほどではありませんが、いまだに.dsnファイルフォーマットはCADインタフェイス・データフォーマットの一つとして使われています。3.ODB++ 現在、CADデータのデファクト・スタンダードとして注目されているフォーマットがODB++と呼ばれるフォーマットです。ODB++はイスラエルのValor社 (Valor Computerized Systems,Ltd)が開発した基板製造チェック用のデータフォーマットです。 Volor 社のソフトはガーバデータを入力して作画データだけのチェックもできますが、これは機能のほんの一部で、ODB++フォーマットデータを入力すれば、多くのチェックができるようになっていました。製造規則から配線の線幅や間隔のチェックだけでなく、穴明けや部品実装のチェックなど、総合的なチェックを行います。このため、ガーバのような単なる作画データだけではなく、部品データや接続情報など、多くの情報を入力する必要があります(図8)。また、このソフトは、製造チェックだけでなく、作画データや、ドリルデータ、部品実装機データなど多くの製造データを編集、出力するCAMデータ出力ソフトとしての機能も充実しています。 基板製造業者は当初はこのソフトをガーバデータを入力して作画データのチェックと編集、出力にだけ使っていました。しかしソフトの機能が充実するにしたがい、他の機能も使えるようにするため、CADに対してODB++ のサポートを要求しはじめました。 Volor 社も当然、CADデータを入力する必要があるので、積極的にアメリカの有力CADとマーケティング契約を結び、複数のCADとODB++フォーマットでのインターフェイスができました。 このようになると、他のCADベンダーも公開されているODB++フォーマットのファイルを出力する機能をサポートするようになります。このようにして、ODB++フォーマットがデファクト・スタンダードとなりました。しかし、2009年にValor 社がEDA 大手のMentorGraphics 社に買収され、今後の動向が注目されていました。 Mentor Graphics 社はODB++フォーマットをデファクト・スタンダードとしてさらに仕様の公開を継続すると発表していましたが、今年になって、Solution Allianceを立ち上げ、仕様の公開を加速させました(図9)。 このような、Mentor Graphics 社の積極的なODB++ の公開を受けて、EDA各社はODB++フォーマットサポートを進め、ODB++がCAD 間のデータ変換の中間ファイルフォーマットとしてデファクト・スタンダートとしての地位を確立しています(図10)。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾■マエダ シンイチKEI Systems、( 株) 日本サーキット。日米で、高速システムの開発/ 解析コンサルティングを手がける。図9 ODB++アライアンスhttp://www.odb-sa.com/図10 ODB++ サポート企業図8 CAM確認用データhttp://www.odb-sa.com/partners/