実装技術8月号2012年特別編集版 page 40/48
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54社が行いますが、フォーマットの情報は積極的に公開し、バージョンアップの機能要求なども広く公開して募集したりします。3.デファクト・スタンダードに よるCADデータ変換1.ガーバファイル まず、最初に異なるC....
54社が行いますが、フォーマットの情報は積極的に公開し、バージョンアップの機能要求なども広く公開して募集したりします。3.デファクト・スタンダードに よるCADデータ変換1.ガーバファイル まず、最初に異なるCAD 間のデータ変換に使われたデファクト・スタンダード・フォーマットとしては、ガーバ・フォーマットが使われました。 ガーバファイルはすべてのCADで出力機能をサポートしていたため、異なるCAD の設計結果を読み込むためには、手軽で問題のない方法です。 このため、多くのCADはガーバファイルの読み込み機能をサポートしていて、他のCADで設計した結果を読み込めるようにしています。 しかし、ガーバ・フォーマットは作画データのフォーマットであり、各層の『絵』のデータしか記述されていません。パッドの情報はあっても、『穴』の情報はないため、ビアを介した層間接続情報はありません。それどころか、そもそも、接続(ネット)情報がありません。また、部品の情報もありません(図5)。 このため、CAD の情報受け渡しのためにガーバファイルを使おうとする場合には、単に『絵』としての情報を読み込むだけです。CADとしてのデータの受け渡しをするには、他にネット情報や部品情報を作成して、いくつかのファイルを寄せ集めてCAD 間のデータ受け渡しをするしかありません。 回路図入力システムと基板レイアウトCADは別のシステムとなっています。回路図入力システムと基板レイアウトCAD の間では、ネットリストと呼ばれる文字データ形式のファイルで接続情報がやり取りされます(図6)。 異なる会社の回路図入力システムとレイアウトCADシステムの接続のため、各社からこのネットリストフォーマットは公開されています。また、業界標準フォーマットとして、EDIFフォーマットがあります。 このように異なる複数のフォーマットファイルを組み合わせ、不満足ながらも異なるCAD の設計を読み込む機能を各社開発しました。2. .dsn File 次に、異なるCAD 間のデータ受け渡しのデファクト・スタンダートとして、自動配線ソフトのフォーマットが使われました。1990 年代のなかばにアメリカのCCT 社がSPECCTRAと呼ばれる自動配線ツールを開発しました。 自動配線ツールはそれ単体では動作せず、必ず基板レイアウトCADシステムに組み込まれて使われるものです。このため、この会社は、この自動配線ツールの入出力フォーマットを公開し、自社でエンドユーザーに販売すると同時に他の多くのCAD ベンダーを通して、その会社のCAD の自動配線機能としても販売しました。当時としては、この自動配線ソフトは、他社のCADシステムがもつ自動配線よりもすぐれていたため、多くのCAD ベンダーがこの自動配線を採用しました。 CADシステムと自動配線ソフトの接続には単純な『絵』であるガーバデータに比べ、はるかに多くのCADデータの受け渡しが必要となります。 一般にCADから自動配線ツールには、部品を配置し、場合に一部の配線がされた基板データを送ります。自動配線ツールは配線設計を行い、配線の情報をCAD へ戻します。配線設計を行うためには、基板外形データ、基板の層構成、ネット情報、部品情報、配線のための配線幅、配線間隔、ビアの情報のほかにも、配線可能領域、配線禁止領域、配線済の配線情報などレイアウトCAD のもつ大部分のデータが送られます(図7)。 多くのCADシステムがこのCCT 社の自動配線ツールを利用したため、この自動配線のためのファイル(.dsn ファイル)への出力機能をサポートしまし前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図6 作画データ以外にも多くの情報を授受図7 自動配線に必要なデータ図5 CADのデータは多くの情報