実装技術8月号2012年特別編集版

実装技術8月号2012年特別編集版 page 29/48

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43フロー炉の大きさから見れば、部品の大小の差は問題にならない。リードの数が多ければ、基板側に逃げる熱量が多くなる。大小の部品に直接温度センサを取り付け、計測すると、温度差はほとんどないことがわかる。 ....

43フロー炉の大きさから見れば、部品の大小の差は問題にならない。リードの数が多ければ、基板側に逃げる熱量が多くなる。大小の部品に直接温度センサを取り付け、計測すると、温度差はほとんどないことがわかる。 基本的に、プリヒートの目的を部品間の温度差(Δ T)を小さくするためとするのは再検討が必要である(図3)。 はんだ付けに必要な熱量 = 温度×時間×接触面積              ×その他 はんだが溶けていない段階で大小の部品の温度差を同じにすることは意味がない。また、温度プロファイルの設定の仕方によって、多少の基板サイズの違いについてもその調整はコンベア速度で十分対応できる。 少量多品種の現場では温度の切り替え(機種の切り替え)が一番生産効率を阻害する。 ただし、使用するリフロー炉の性能に左右されるので、個々に操作方法を確認する必要がある。 はんだ付けの要因は 基板・部品(サイズ・材質etc)×フラックスの特性 ×装置性能の組み合わせで成り立つが、一つの条件が変われば得る結果も変わる。3.時間(タクト)●事例 はんだの融点以下の耐熱性の低い部品のはんだ付けは、熱が部品内部に移動する前にはんだ付けを終えることで可能になる。そのためには、短時間で十分な熱反応するフラックスと母材に熱を伝える装置が必要になる。(1)部品耐熱温度100℃以下にはんだ付け(光ピックアッ  プ・網膜チップなど) はんだこて=部品側に接触する部分のこて先をめっき処理して部品への熱伝達を抑える(トライテックジャパン(株)のこて先カタログをぜひ参照されたい) クリームはんだ=ホットバー(ロボット)を使用して部品温度93 ℃に抑える※バーの材質・形状・温度・時間・リードへのあてる位置が重要である(2)部品耐熱温度130℃以下のはんだ付け(FPC) リフロー=熱反応の速いフラックスで高温・短時間でのはんだ付け(3)部品耐熱温度140℃以下のはんだ付け(ボリューム) リフロー =ディスクリート部品のはんだ付けカバーを使用し、下部ヒータメインではんだ付けする 高温はんだや放熱基板は、フラックスが劣化する前にはんだが溶ける温度を供給する。下部ヒータのみを使用するか、逆に高温で短時間で母材表面温度を上げて(はんだこてに近い条件設定)フラックスの劣化前に終える。 クリームはんだも糸はんだも同じで、その違いははんだ付けには余分な溶剤の存在である。はんだこてで作業(後付け・修正)できる部品であれば、リフローやフローにおける急激な温度上昇は、飛散などの不具合がない範囲で可能であり、決まりきったプリヒートに特にこだわる必要はないのである。4.装置の操作方法 現場では、リフロー装置に関して、その性能や特性(上下ファンの調整・各ヒータの温度差など)を確認していないケースが多く、メーカーなどから指示された範囲での微調整に終わっているのが現状であるようだ。しかし基本的には、基板が絶えず変わることから、炉の操作もそれに合わせて調整するのが本筋であるといえる。●事例 ①下部ヒータのみでのはんだ付け ②上部ヒータのみでのはんだ付け ③上下一部のヒータ使用 ④上下ヒータの調整可能な温度差 ⑤上下ヒータの個別調整 ⑥ファン回転数の調整範囲(特に低速領域) ⑦上下ファンの個別調整 ⑧その他 これらは導入時に十分な検討が必要な事項であり、最近の高度な設計の実装では特に必須の確認事項になる。特に、リードレス部品の実装時のボイド対策には必要不可欠である。