実装技術8月号2012年特別編集版 page 21/48
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25LED照明商品と実装技術はんだ付け関連技術3い蛍光体もあるため、特徴を確認して選択することが肝要である。(1)酸化物蛍光体 酸化物蛍光体としての黄色蛍光体(Y3A15O12:Ce,Tb3A15O12:Ce)、緑色蛍光体(Ca3S....
25LED照明商品と実装技術はんだ付け関連技術3い蛍光体もあるため、特徴を確認して選択することが肝要である。(1)酸化物蛍光体 酸化物蛍光体としての黄色蛍光体(Y3A15O12:Ce,Tb3A15O12:Ce)、緑色蛍光体(Ca3Sc2Si3O12:Ce)のガーネット構造をもっている蛍光体は水分の影響を受けずに安定して使用できる。黄色蛍光体『(Sr、Ca、Ba)2SiO4:Eu アルカリ土類オルソシリケート』は水分の影響を受けやすい。(2)酸窒化物・窒化物蛍光体 酸窒化物・窒化物の蛍光体は水分の影響を受けにくい蛍光体である。窒化物赤色蛍光体CaA? SiN3:Eu は白色LED や電球色LED を作製する際に雰囲気制御に特に注意することなく使用できるため、屋外で使用される白色LED の蛍光体として有望である。(3)硫化物蛍光体 赤色蛍光体(Ca、Sr)S:Eu は青色LED の励起用として重要な蛍光体のひとつであるが、空気中の水分と反応して蛍光体自身が劣化するだけでなく、硫化物を発生して周辺の部材にも影響するため、屋外使用の商品に本蛍光体を採用する場合には水分を完全に遮蔽する封止方法を採用する必要がある。2.封止材 封止剤には熱硬化型樹脂が使用されているが、材料特性に一長一短があるため、LED 商品が使用される環境に応じて使い分けなければならない。特に、紫外LED では紫外線によってエポキシ樹脂自身が劣化するため注意が必要である。(1)エポキシ樹脂 電気絶縁性は良好であり、従来からLED の封止剤として使用頻度は高いが、耐光性・耐熱性が劣るため、屋外用には注意が必要である。ガラス転移点(Tg)以下では内部応力がかかり、金線の断線を起こすことがある。(2)ソフトシリコーン樹脂 耐光性・耐熱性は良好であり、紫外線による劣化も少ないことから、屋外用LED に向いている。ハードシリコーン樹脂では内部応力を生じるが、ソフトシリコーン樹脂では熱衝撃性に強い特徴がある。 放熱対策 白色LED として高輝度化の要求に対応するために、1 個の樹脂ケース中に多数個の素子を搭載し、高電流化している商品が出現しているが(図3参照)、PNジャンクションで発生した熱の放熱対策が必要となっている。発熱部品の放熱対策として一般的にはヒートシンク、換気ファン等の空冷の他に、基板自身に冷却水を流す水冷方式等が考案されているが、LED 照明商品はその設置場所の制約から、放熱対策も限定されている。1.熱伝導性基板の採用 LED 照明商品で、もっとも一般的な放熱対策として使用されているのがアルミ製放熱基板の採用である。しかし、アルミ基板は熱伝導性にすぐれているが、その他の材料との線膨張係数の差が大きく、後述する熱衝撃試験を実施すると、はんだ部にクラックがソルダーソリューション図3 高輝度LEDの例(6個の素子を搭載)