実装技術7月号2012年特別編集版 page 20/38
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22設計・解析・シミュレーション設計品質向上のためのシミュレーション導入手法12 はじめに プリント基板(PCB)設計にシミュレーションを導入すると、たちどころに効果が上がると思われがちであるが、この世....
22設計・解析・シミュレーション設計品質向上のためのシミュレーション導入手法12 はじめに プリント基板(PCB)設計にシミュレーションを導入すると、たちどころに効果が上がると思われがちであるが、この世界でも、品質管理の父であるデミング博士が提唱したPDCA サイクル(= Plan DoCheck Action サイクル。つまり、計画し、実行し、その結果を分析し、次の対策を行う、というサイクルを回すことによって信頼性や効率の向上を図る方法)の応用は重要である。PDCA サイクルを回すことにより、シミュレーションがただの設計事後検証ではなく、事前対策を行いルールベースで最初から正しい設計をするための強力なツールとなる。 シミュレーションは、大別するとプリシミュレーションとポストシミュレーションに分けられる。プリシミュレーションは基板を作って実装する前(または、レイアウト設計を行う前)、ポストシミュレーションはその後を指すと考える。PDCA サイクルの中で考えると、『Do』をはさんでその前がプリシミュレーション、その後がポストシミュレーションになるわけである。いずれをとっても、実際に物を作って火入れをして、測定する前に原因を見つけて対策をとることこそ、シミュレーションの最大の目的であり、利点となる。 以下に、各種シミュレーションについて個々に検討してみる。 EMC(電磁適合性) EMC をPDCA サイクルで考えると、以下のようになる。 ●Plan……EMCのノウハウに基づくルールの整備 ● Do ……ルールに基づく設計 ● Check ……ルール通りに設計ができたか、ルー ルを守れなかった部分はよしとするかの確認 ● Action……ルール違反修正が必要と判断した 場合には修正。筐体での対策など製品としての EMC 対策。その後、暗室での評価などを行い、 ルールの修正、追加メンター・グラフィックス・ジャパン(株) / 石川 実図1 EMCをルールベースでチェック。VBScriptなどにより自社ルール開発も可能