実装技術7月号2012年特別編集版

実装技術7月号2012年特別編集版 page 14/38

電子ブックを開く

このページは 実装技術7月号2012年特別編集版 の電子ブックに掲載されている14ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
16設計・解析・シミュレーションJTAGバウンダリスキャンテストの革新的ソフトウエア技術設計・解析・デバッグ・テストへの活用 1  はじめに JTAG バウンダリスキャンテストはソフトウエアによってJTAG デバイス....

16設計・解析・シミュレーションJTAGバウンダリスキャンテストの革新的ソフトウエア技術設計・解析・デバッグ・テストへの活用 1  はじめに JTAG バウンダリスキャンテストはソフトウエアによってJTAG デバイスの信号線をプローブとして操作・観測するため、ソフトウエア技術によって最大限に活かされるが、そのツールは難しくて高価であると、近年まで敬遠されてきたふしがある。  しかしながら、高度なソフトウエア技術でJTAGバウンダリスキャンツールに革新をもたらした、XJTAG のテストプログラムは、再利用性に富み、容易に設定できる。またツールのコスト効率も高く、設計・シミュレーション・解析・デバッグ・テストに一貫して活用されて相乗効果を得るという新たなパラダイムを生んでいる。 『設計開発者は量産テストを開発することで設計工数も削減できる』 『ターゲットで動作するソフトウエアがない状態で検証が行えるので、試作基板が動作しない時にハードかソフトのどちらの問題か?といった議論が回避できる』 『設計側と生産技術部・品質管理部とのコミュニケーションが共通ツールで改善されるので不良解析を効率化できる』 2000 年当初に相次いで展開され始めたBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Scale Package)は、瞬く間に先進的な製品の主要デバイスに採用されるようになった。そして従来式のテスト手法であるプローブ治具(ネイルベッド治具)やフライングプローブでは、それらデバイス配下のはんだ接続へ物理的にアクセスができないため(図1)、電気的に評価できる唯一のテスト手法としてJTAG バウンダリスキャンテストの採用が加速されている。 JTAG バウンダリスキャンテスト手法は、プローブを物理的にスキャンさせることに比較してソフトウエアの比重が高く、テストの開発工数や設備費用を軽減できる。従来からある高価なATE ハードウエアだけでは、設計とテストの両エンジニアリングはそれぞれの担当者で実施され、また物が大きいがゆえに物理的にも分離されてしまうが、JTAGバウンダリスキャンテストなら、物理的にも費用的にもコンパクトで風通しの良い環境を組織・チーム内で構成できる。設計やテストの専門家を個々に擁するのではなく、同じエンジニアが設計とテストの両側面に取り組むことで得られる顕著な効果は次の通り。XJTAG 社 / Geoff Harvey、富士設備工業( 株) / 杉本 明加図1 プローブ検査ではBGA接続などを電気的に検査・不良解析できない図2 設計とテストの同時進行