実装技術6月号2012年特別編集版 page 42/54
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54 リード形状によりバックフィレットの形成できないリードでは、底面と側面のぬれ性を観察し、逆にリード先端のぬれ上がりが少なくてもバックフィレットと底面のぬれ性を確認して判断する(図3)。2. 現場で行う部....
54 リード形状によりバックフィレットの形成できないリードでは、底面と側面のぬれ性を観察し、逆にリード先端のぬれ上がりが少なくてもバックフィレットと底面のぬれ性を確認して判断する(図3)。2. 現場で行う部品リードのぬれ性実験方法 図4 は、現場での部品リードのぬれ性の実験方法を示したものである。 最近では、海外の低価格の基板や部品を使用する機会が多くなった。特に昨年のタイの洪水で部品の入手が困難になり、代用品が使用されるようになってから加速度的に増えているが、この現象と同時に、現場では実装品質が荒れている。この問題が実際に取りざたされるようになって本社が対策に乗り出す、というのでは遅すぎる。現場が絶えず簡単な評価方法を確立し図3ておけば大半の問題は防げるものであり、品質管理や生産技術などの部門が無駄な作業をする必要は減る。一般的なマニュアル化による量産から、さらに一歩進んで、現場要員の観察力を向上させることが、コスト・品質を改善させる早道となる。 昨年の震災や洪水などのダメージから復興に向けて、各社でいろいろな課題を解決するための活動が行われている。私が活動している京都府の『京都実装技術研究会』でも、今年度の新しい会員募集が始まった。他府県からの参加企業も増えてきていており、工場見学も含めてより現場に即した活動が増えてきた。 なお筆者は、6 月12 日に開催される日本アントムのプライベートセミナーで、場所をお借りして、本誌3 月号から掲載してきた内容、特にボイド対策に関する内容を紹介する予定である。リード上部まではんだはぬれ上がっていない。リード先端は一部ぬれているが、底面は弾かれている。リードの浮きもあるが、温度プロファイルの影響が大きい隣のリードはぬれているので、プロファイルの問題ではなく、リード先端と底面のめっき状態が問題と思われるリード上部にはんだが見られる。部分的にぬれ上がりがあったが、はんだが弾かれているのは酸化によるものでこのリードは使用できないリード先端のばりは、はんだ弾きの原因になるフラックス残渣がリード先端と底面に見られ、また飛散もあり、温度プロファイルミスによるぬれ不良と想定される。プリヒートを短くし、対応するべきであるリード先端ではんだが弾かれている。底面はぬれているが、サイドフィレットが不十分である。右側のリードはぬれていることからも、リードのばりやめっき状態の確認が必要である