実装技術6月号2012年特別編集版 page 35/54
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33高品質なプリント配線板製造を実現する5ガラスエポキシ銅張積層板(FR-4)の再区分化を考える合成樹脂工業協会(JTPIA)る。これらはパーフォーマンス(特性)の差であり、一見分類の指標とできそうであるが、Tg ....
33高品質なプリント配線板製造を実現する5ガラスエポキシ銅張積層板(FR-4)の再区分化を考える合成樹脂工業協会(JTPIA)る。これらはパーフォーマンス(特性)の差であり、一見分類の指標とできそうであるが、Tg にしてもCTEにしてもあくまで基板と部品との相対的な指標であり、最適値は応用ごとに違ってくるので、分類による区分けも無意味である。 なお、我々がUL と認識を異にすることによって、大事な『製品安全』に影響はないのであろうか。結論からいえば、影響はまったくない。もともと材料提供側と製品販売側は、相互の認証の上、各顧客の指定した試験方法で材料単体、部品実装品ともに、UL よりもはるかに厳しい条件で信頼性試験を行い、顧客の製造ラインでの信頼性、安全性を相互に確認したうえで製品を市場に送っている。『製造物責任法(PL 法)』が完備されている現在、安全に関わる課題は常に最優先課題であり、UL とは無関係に試験を実施中である。 そもそも、UL は自ら認証した製品の市場での実際の事故には一切責任を負わないということが、UL との契約条項には織り込まれている。UL 認証とは何であろうか。 今後の進め方 残念ながら、ULは従来の考え方を変えることができない、ということが今回の議論で明らかになった。現代のFR-4 基板設計者は、上に搭載されるPKG 部品の性能を考慮し、それにとっての最適解を見出して製品設計を行なっているわけであるが、ULはあくまで基板単体でしか見ようとしないし、実装の世界は顧客ごとの特殊な設備事情を抱えており、これらの標準化ができない以上、筆者らとしては実装の世界にさらに取りこまれていくしかない。UL との差は永遠に埋まらないとさえも思っている。 しかし、最大の問題はこのように実装の世界が大きく変わり、UL が変わらない事情に加えて、実装側(通常はOEMs;日本ではセットメーカーと呼ぶのが一般的)が、基板に、昔の慣習からであろうか、『FR-4』をいまだに要求していることである。実装側の事情に合わせて最適に設計された基板になぜ『FR-4』という共通呼称が必要なのであろうか。『FR-4』というグレードを得るために、銅張積層板メーカーや電子回路板メーカー、レジストインクメーカーがどれだけ多くのUL 認証費用を支払っているのかご存じであろうか。FR-4と基板の難燃性(UL94V-0)との混用もしばしばみられるが、難燃性試験はUL746E にはもともと含まれず、独立規格であるとともに、同等の世界規格(IEC など)が存在している。UL746Eの試験項目には材料確認、機械特性の他に各種の電気試験(ホットワイヤ発火試験(HWI)、高電流アーク発火試験(HAI)など。詳しくはWeb などで参照されたい)もあわせて実施されるが、小型電子機器にこれらの『前時代的』『重戦車図3 パッケージ実装内容の一例(JPCA Show 1999展示より5)) 的』な試験が実際に必要なのであろうか。T-BGAMCPT-BGAフリップチップBGA