実装技術5月号2012年特別編集版 page 27/40

このページは 実装技術5月号2012年特別編集版 の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要：
35事も自分たちで献立作成、調理をし、懇親会を行って意見を出しやすい場を作る。塾の終わりにまとめを行い、取りまとめたものを、各部署に降ろし徹底させる、という形になっている。　この基本方針に基づいて、（株....

35事も自分たちで献立作成、調理をし、懇親会を行って意見を出しやすい場を作る。塾の終わりにまとめを行い、取りまとめたものを、各部署に降ろし徹底させる、という形になっている。　この基本方針に基づいて、（株）中山理研では、同社業務が先進秘術でなく、確かな技術を提供するものであるため、自分たちでできることは自分たちで行い、美しい環境を整備するということで、毎朝の掃除やマシン整備など、自分たちでできることの環境整備に力を入れている。通常、4、5 年利用する製造ラインを、同社では手を入れることで20 年以上使っている（写真4）。メタルマスク製造事業部では、SMT 用のメタルマスクを製造しており、その9 割以上はYAGレーザ加工で行っている。レーザだと時間とコストがかかってしまうものに関しては、エッチングでの加工も行っており、主に半導体向けの治工具を作っている。同事業部では、経営基本方針に合わせ、15 年前から自分たちで掃除をすることによって環境整備をし、品質をあげ、人を育てる活動を行っており、毎朝、仕事にとりかかる前の15 分程、機械を掃除している（写真5）。始めた直後はそれぞれ担当者を決め掃除をしていたそうだが、10 年前から現場だけでなく、全員で機械を掃除してから仕事にかかる取り組みを行っている。最初は単に綺麗にするために行っていた掃除だが、自分たちで掃除をするようになって汚さなくなるようになり、そしてワックス掛けの提案など汚れない工夫も考えるようになった。次第に機械の蓋を開けて中を掃除してみたらどうかとかいう提案までするようになり、自分たちでメンテナンスも行っている（写真6）。例えば、ファンに埃が溜まってくると、中も汚れる上、風量も落ちてくる。そのため、時々外して、ファンの中を掃除するようになったことで機械の稼働効率があがった。また、機械には決まったスピードでコンベアを流す手順が決まっているが、作業者が手順をきちんと守っていても、機械が本当にこの速度で流れているかということは確認しなければわからないため、週に1 度は掃除の一環として速度確認を行ったり、実際の温度と表示温度が合っているかの確認などをしている（写真7）。同事業部は全部で13名在籍しているが、直接業務の男性は2 名で他は女性である。しかし、掃除という形で行うと男女関係なく、薬品やフィルタ交換、異常の有無を確認をしたりと、自然と女性もメンテナンスを行えるようになった。そして、掃除によって、早い段階で、機械の異常に気付くことで、壊れることなく、元に戻すことができ、余分な経費の発生も抑えている。これをメンテナンスという言葉を使ってしまうと、途端にイメージでハードルが高くなるそうで、掃除の一環とすることで、全員が気持よく参加できるようにしている。　また全員で作成する経営計画も、自分たちの目線で現状を把握し、今後の方向性を考え、これに対し、クライアントが同社に要望していることを把握するようにしている。同社がもっているいいところを出すにはどう問題を抽出して、その問題を部門ごとに落とし込んで解決するかを、その部門から出てきた問題点を重要度に応じて、早くやれること、もしくは重要なことを6カ月先、1年先、2 年先として計画を立てている。6月の秀観塾で経営計画を立て、12月に見直しをし、1 年に2 回これを行う。それと同時に毎月出る決算の数字と各事業部の品質を見ながら、自分たちの決めたことが正しいのかどうか、正常に機能しているかどうかを数字と品質でチェックをする。そして半年ごとに見直しを繰り返しながら行っている。　担当者は、「社長はとにかく綺麗な職場で仕事をしてくれ、いいものを作ってくれ、お客様が喜ぶような社員になってくれ、しっかり勉強してくれといいます。ただし、こんな世の中なので、自分たちが稼いでる以上の給料は払えないよ、だから皆どうする？と伝えてきます。ある面で非常に厳しいです。」という。同社の綺麗な工場を見学し、ナカヤマグループは、技術を追い求めるだけでなく、社員全員にこういった経営意識をもたせることによって、社員全員が会社の発展を考え、実際に発展する原動力となっている。写真5中山理研　清掃風景写真4中山理研　メタルマスク製造工程写真7中山理研　点検風景写真6中山理研　メンテナンス風景