実装技術4月号2012年特別編集版

実装技術4月号2012年特別編集版 page 28/34

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50 バッファがあるためWide I/O の規格では、メモリチップが1つだけ使われているDDR2 規格やLPDDR2 規格と同じ入力容量になっています(表1)。 メモリバスのような並列データ転送方式ではデータ間のタイミングの....

50 バッファがあるためWide I/O の規格では、メモリチップが1つだけ使われているDDR2 規格やLPDDR2 規格と同じ入力容量になっています(表1)。 メモリバスのような並列データ転送方式ではデータ間のタイミングの同期が最も重要です(図8)。Wide I/Oメモリではデータ転送速度を遅くして同期時間に余裕をもたせました。 これまでのLPDDR2 やDDR3 などJEDEC 規格のメモリバスでは並列して一度送るデータ(DQn)は4ビット、または8ビット単位です。この4ビットまたは8ビットごとに同期信号(DQS/DQS-)を同時に送り、同期させています。この4ビットや8ビットの信号群(レーン)を複数、同時に送ることにより、8ビットから32ビットの並列データをやり取りしています(図9)。 Wide I/Oメモリでは1つの同期信号に同期するデータが16ビットとこれまでの倍になっています。この16ビットのデータブロック(レーン)をチャネルあたり8 組、並列にして128ビットのデータを同時に送ります。 この同一内1ビットのデータ同期はもちろんですが、8つのレーン間の同期誤差(スキュー)についても一定の値以下にする必要があります(図10)。 このため、Wide I/Oメモリではレーン間の同期を調整する機能が用意されています。 基本的には、データバス速度が200Mbps、今後の高速使用でも266Mbpsと遅くなったため、タイミング設計は余裕のあるものとなっています。 データバス速度が遅くなると、メモリの消費電力が大幅に減少します。 図6 の回路で、負荷Cが増大すると信号の速度が遅くなると説明しました。 この積分回路はCの変化だけではなく、ドライバのもつ出力インピーダンス(R)によっても波形が変化します。Rを小さくすると波形は早い立ち上がり/立ち下がりとなり高速動作が可能となります(図11)。しかし、Rが小さくなると回路に流れる信号電流が大きくなり、回路の消費電力が増大し、消費電力が増大します。信号速度が遅くなれば、ドライバのRを大きくし、信号電流を減少させることができます(図12)。 また、CMOS 回路では信号が変化している時に大きな電流が流れるので、回路が低速化して、信号が安定している時間が長くなれば、消費電力が減少します(図13)。 Wide I/OメモリではTSVを使い、配線長さを極限まで短くしています。 信号の波長に比べ、配線が短いため、メモリパッケージ内のメモリとコントローラ間の配線は伝送線路としてみる必要がありません。このため、信号の電力を小さくしてデータ転送が可能となります。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図9 DDRメモリの同期信号図8 並列バスでは信号の同期が重要図10 Wide I/Oメモリの同期信号表1 DDRメモリの入力容量規格