実装技術3月号2012年試読

実装技術3月号2012年試読 page 8/26

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概要:
26フォトマスク除去があるが、最終的にはパターン配線およびスルーホール用ランド部以外の不要な銅が露出した状態となる。パターン形成が完了すると、次はエッチング工程に入り、不要な銅は除去され、ここで初めてFP....

26フォトマスク除去があるが、最終的にはパターン配線およびスルーホール用ランド部以外の不要な銅が露出した状態となる。パターン形成が完了すると、次はエッチング工程に入り、不要な銅は除去され、ここで初めてFPC の表面に配線パターンが現れる(写真4)。 この状態のFPC は、銅パターンが露出した状態のため、次の工程で表面を保護するためにカバーレイと称するFPC のベース材料と同じ材料のフィルムが仮接着する。このベース材と同じ材料で保護することにより、FPC 自体の膨張・収縮に順応し、結果として長期信頼性の確保が実現できることとなる。 なお、この工程も露光の工程と同様異物の混入を避ける必要があることから、クリーンな環境下での作業を行なっている(写真5)。 最近では、LED 照明用としてのFPC 採用が増えてきており、その場合には、白色・黒色のカバーレイを使用している。 これでほぼ基本となる製造工程は終了し、最後にすべての材料を積層した状態で鉄板で挟み、ホットプレス機を用いて加熱・加圧して硬化させ、ベース材とカバーレイを完全に密着・硬化して一体化する(写真6)。 FPC は、他の基板に実装されたコネクタとの接続のためにACF(異方性導電フィルム)を使用したり金端子をそのまま接点として利用するケースが多く、FPC 上に金めっき端子が電解めっきで形成されることが多くなっている。金めっきは管理コストがかかるため、自社で行なうことは少なく、当社でも金めっき作業は協力会社に依頼している。しかし、金めっきの品質管理は製品全体に関わるため、協力工場の工程管理状態や受け入れ検査は日常的に慎重に行なっている。韓国におけるFPCの技術動向プリント配線板技術の最新動向CST(株)3写真6 HOT PRESS 配線パターンが形成されたので、個々の製品対応で通電検査を実施する。この検査では配線のオープン・ショートを検査する。通電検査は製品の仕様やロット数に応じて自動で行なう場合と半自動で行なう場合がある。 通電検査が完了すると、次は外形加工工程となり、ここでは高精度な加工が必要となる。 FPC の場合、リジット基板と違い、かなり薄い状態での外形加工を行なうためFPC に高精度な位置合わせのガイド穴を設け、金型を使った打ち抜きで加工を行なっている(写真7)。 最後に全数を対象に出荷検査を行なう。検査項目としては、外形寸法精度確認、ランド形状、パターンの太さやピンホールやエッチング時の銅の残り、異物の混入などを確認し、問題が無ければ梱包して出荷となる(写真8)。 なお、製造工程内では、各所で抜き取り、全数での検査を実施し、必要に応じてロット不良とする対応も行なっている。また製品の精度やユーザーの要求に応じて、はんだ耐熱性や高温高湿試験や引っ張り強度、屈曲性試験などを行なう場合もある。もし出荷検査で不具合が発見された場合には、出荷停止とすることもある。 当社では、FPC 製造にあたりQC(品質管理)やQA(品質保証)部門は、製造部門とは切り離し大きな権限をもった部門として位置付けている。   韓国におけるFPC の技術動向 現在、韓国には50 社を超えるFPC メーカーが存在しているが、製造している製品は日本のメーカーの場合と変わらず、その多くは、前述の通り携帯電話写真4 エッチング 写真5 仮接着