実装技術3月号2012年試読 page 21/26
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47図8図9〈改善前〉〈改善後〉図10フラックスはリードやランドの熱に反応してフィレットの外にあまり広がらないので、溶融はんだの表面張力が抑えられ、熱対流が持続することでぬれ性とボイド削減効果が得られる従来....
47図8図9〈改善前〉〈改善後〉図10フラックスはリードやランドの熱に反応してフィレットの外にあまり広がらないので、溶融はんだの表面張力が抑えられ、熱対流が持続することでぬれ性とボイド削減効果が得られる従来の温度プロファイル(写真左列)では、プリヒートの熱風によるフラックスの劣化ではんだのぬれ広がりが十分ではない。現場での良否の判断はまず、①フラックス残渣の観察、である。フラックス残渣が荒れていたりランドの外側に以上に広がっている場合は、フラックスが劣化している証拠になる。次に観察するのが、②フィレットの形状である。その次が③フィレット光沢であるが、これは鉛はんだと変わらない。ただし、耐熱性の高いフラックスは熱を受けると外側へ広がるタイプが多いので、その残渣の先端が放射線状に綺麗な曲線をえがいている場合は、一応、良フラックス残渣が荒れているとボイドの可能性が高くなる。そして最後に④フィレット表面の滑らかさ、になる。える。 製品としての基本は、生産技術や品質管理などによる環境試験での結果をもって、最終判定に至る。 量産現場では基本となる基板の品質・設計・材質・サイズが絶えず変わる。これを無視した、画一的な数値管理の温度プロファイルでは市場での品質が安定せず改善効果の薄い検査工程のみが増えていくことになる。 海外工場では多くの作業員が検査・修正工程に張りついているが、現実に長時間の目視検査は型ばかりのものとなってしまい、品質改善にはほとんど役立たない。自動観察装置も良否の選別止まりである。 下部の遠赤外線ヒータを活用してフラックスを劣化させずに基板に熱供給することで(図8)、フラックスの効力でぬれ性が改善され、はんだフィレット形状もフラックス残渣形状にも荒れがなく、綺麗な曲線を描いている(図9、図10)。ぬれ広がり不足小島はんだ(RMAクラス)小島はんだ(RMAクラス)フラックス残渣が荒れているとボイドの可能性が高くなるフラックス残渣の異状広がりとフィレット光沢不足(従来の温度プロファイル)【フラックスが劣化し易い】(改善プロファイル)【下部ヒータの活用効果】=左図の効果フラックス残渣形状