実装技術2月号2012年試読

実装技術2月号2012年試読 page 19/26

電子ブックを開く

このページは 実装技術2月号2012年試読 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
41図4 HLB図5 化合物の親水性と活性力図3 化合物の構造による活性剤の強弱 図2 に、カルボン酸とハロゲンを例に酸解離定数からみた活性剤の強弱を示す。酸解離定数は酸の強さを表す指標の一つで、pKa が小さいほ....

41図4 HLB図5 化合物の親水性と活性力図3 化合物の構造による活性剤の強弱 図2 に、カルボン酸とハロゲンを例に酸解離定数からみた活性剤の強弱を示す。酸解離定数は酸の強さを表す指標の一つで、pKa が小さいほど強い酸となる。カルボン酸と比較しハロゲン類の値が小さく、カルボン酸の中では分子量の小さい化合物でpKa の小さいことがわかる。 次に化合物の構造から強弱を見てみよう。活性剤は金属と反応する部位(官能基)とそうでない部位に分かれる。そうでない部位は炭素と考えれば良い。 図3 に官能基がカルボキシル基のカルボン酸を例に活性剤強弱の考え方を示す。図3-A のように官能基が多いと活性力は強く、図3-B のように関与しない炭素の部分が多いと活性は劣る。 以上、活性の強弱は、官能基の強弱および付加数と反応に関与しない炭素の数で決まってくる。以下に、はんだ付け性の良い活性剤の条件を記す。 ①金属に対する反応性が優れる官能基を有する。 ②官能基の付加数が多い。 ③炭素数が少ない。3.活性力と信頼性 1、2 項で『活性剤には腐食性があること』『活性剤の強弱とは何か』を述べた。もう少し活性剤の特性について考えてみよう。 まず、腐食性と同じように信頼性に重大な影響を及ぼす吸湿性について考える。ここでは、界面活性剤の指標に使われるHLB(Hydrophilic-Lipophilic-Balance)で考えてみる。HLB は、化合物をおのおのの部位に分け、その親水性を差し引きすることで水との親和性を数値化している(図4)。 図5に活性の強弱とHLBの計算結果を示す。官能基は親水性で炭素部は疎水性となるため、活性の強い化合物ではおのずと親水性が強くなる。このため、強い活性剤は、吸湿による腐食およびイオン化によるイオンマイグレーションが発生しやすい。また、吸湿性の強いフラックスではソルダペーストの粘度上昇が発生し易いことも指摘されている2)。 活性力の強いRA フラックス(活性化ロジンフラックス)と弱活性のRMA(弱活性化ロジンフラックス)ソルダペーストをリフローし、放置後の図6 Cu溶出量の比較フラックス中へのCu溶出量を調べた(図6)。RA