実装技術2月号2012年試読

実装技術2月号2012年試読 page 18/26

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概要:
40 本誌10、11 月号で、はんだ付け用フラックスの概要、12 月号でフラックス主成分の樹脂(主にロジン)について記した。本号では活性剤についてお話しする。 フラックス成分で、はんだの接合に関わる成分は樹脂(....

40 本誌10、11 月号で、はんだ付け用フラックスの概要、12 月号でフラックス主成分の樹脂(主にロジン)について記した。本号では活性剤についてお話しする。 フラックス成分で、はんだの接合に関わる成分は樹脂(主にロジン)と活性剤である。図1に示すように活性剤がなくてもはんだは溶融することから、より重要な成分はロジンといえる。しかし、市販されているフラックスで活性剤を含まない製品はない。ロジンだけでは安定したはんだ付け性(ぬれ上がり、溶融性、はんだボール、各種基板や部品電極への対応など)を確保できないためだ。 したがって、『フラックスで重要な成分はロジンだが、実際に使用するフラックスでは活性剤がもっとも大切』と考える。フラックス設計で活性剤の選択は大変難しく、最大のポイントといっても過言ではない。活性剤選択の何が難しいのだろうか。1.活性剤は腐食剤…… これまで述べたようにフラックス最大の役割は母材(部品電極や基板パッド)とはんだの酸化膜を除き、はんだ付けできるようにすることである。銅の酸化膜をフラックス成分が除去する反応式を以下に示す。フラックスは母材のCu を引き出すことで酸化膜を除いていることがわかる。 母材+フラックス成分→フラックスとの反応物+水 (CuO+2RCOOH→Cu(RCOO)2 +H2O) (CuO+2HCl→CuCl2+H2O) ロジンや活性剤により酸化膜が除かれる時、金属はフラックス中に溶出することから、この現象は腐食の一種と考えられる。したがって、活性力の強いフラックスでは、はんだ付け後に残留した活性剤による腐食やイオンマイグレーションの懸念が高まる。2.活性剤の強弱 フラックス活性の強さ、すなわち酸化物を除去する能力は『活性剤が多く含まれる』『強い活性剤を使用』の場合に高まる。活性剤が多く含まれれば強くなることはわかるが、強い活性剤とは何だろう。 第一に、金属と反応する部位(官能基)自体の強弱である。活性剤の効果は酸の強弱を指標にする場合があり、強い酸は活性が良いと考えられる。(株)クオルテック/ 高橋 政典はんだ付け用フラックス(活性剤について)図1 リフロー後の外観図2 活性剤の酸解離定数