実装技術1月号2012年試読 page 23/24
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概要:
60価なものになり、IC 価格の大きな部分を占めるようになってきています。また、大きなヒートシンクは空気の流れる経路の確保と共に機器の容積を増大させますし、ファンはその大きさだけではなく、ファン自体が電力....
60価なものになり、IC 価格の大きな部分を占めるようになってきています。また、大きなヒートシンクは空気の流れる経路の確保と共に機器の容積を増大させますし、ファンはその大きさだけではなく、ファン自体が電力を消費しますし、騒音のもとになります(図7)。 携帯機器では、ファンなどは使えず、熱設計は重要な設計項目となっています。この熱の問題は、小型携帯機器だけではなく大規模なサーバでは、機器の冷却のために大きな電力を使い、省エネの問題が大きな問題になっています。 IC の消費電力を削減することにより、電池の動作時間を延長するだけでなく、高価な熱対策の必要もなくなり、小型軽量化と低価格化まで実現できるようになります。3. 低電力設計 メモリの低電力化についてはモバイルDDRとして、規格化が進んでいます。 CPUについては基本的な共通の技術を使い低消費電力化を測ると共に、各CPU ベンダがおのおの、独自のアプローチから、低電力化の努力をしています。基本的な技術としては、電源電圧(コア電源電圧)の低電圧化と、マルチコア化、クロックの低速化などがあります。 どのようなICでも、電源電圧降下は消費電力の低減に大きな効果があります。しかし、現在の論理回路の基本回路となっているCMOSでは回路が動作するためには電源電圧の低減には限界があります。動作電圧をどこまで下げられるか、動作しない回路の電圧はどこまで、どのように下げられるか、CPU ベンダ各社の独自技術となっています。 各社、単にCPU のコア電源電圧をどこまで、低電圧化させるだけではなく、CPU の処理量が小さい時や、待機状態時など、CPU の状態に応じて電源電圧を細かく制御するには、各社が独自の技術を使っています。 携帯電子機器では、動作時の低消費電力低減も重要ですが、待機時のバッテリの持ち時間が重要な要素となります。待機時では、基本的に必要最低限の回路だけを必要最低限の電圧で動作させることにより、消費電力を可能な限り削減します。待機状態では回路が動作できる電圧でクロックを低速化してかろうじて動作さておき、動作状態に素早く復帰できるようにしておく必要があります。 待機状態で、少ない回路をできるだけ遅く動作させて待機しておけば、動作状態への復帰に時間がかかり、処理が遅いといわれます。多くの回路をある程度に速度で待機させていた場合には、復帰時間は速いのですが、待機状態でも電力を多く消費してしまいます。待機電力を小さくし、かつ復帰時間を短くする工夫は、CPU ベンダの回路技術とソフトウエアに依存します。前田真一の最新実装技術 あれこれ塾図7 大消費電力のIC 冷却図8 マルチコア図9 マルチコアの一部停止図10 2種類のプロセッサを使い分ける