実装技術1月号2012年試読 page 18/24
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50 前回は、回路形成(エッチング)までの前工程についての説明を進めてきた。フレキシブルプリント配線板(以下、フレキシブル基板)が採用される電子機器類は、高密度パターンで設計されることが多く、フレキシブ....
50 前回は、回路形成(エッチング)までの前工程についての説明を進めてきた。フレキシブルプリント配線板(以下、フレキシブル基板)が採用される電子機器類は、高密度パターンで設計されることが多く、フレキシブル基板は電子機器類の品質の優劣を決めるキーパーツの一つである。基板の品質は製品全体の品質を左右することを認識する必要がある。今回は、回路保護から出荷までの後工程についての工程を見ていく。1.カバーレイ?仮接着 リジット基板と大きくことなる点がカバーレイの存在である。エッチングを完了したプリント配線板は、リジット基板の場合はソルダレジストの工程に進むが、フレキシブル基板の場合は、その多くがカバーレイを積層する工程に進む。カバーレイは、あらかじめ接着剤(エポキシ系など)が塗布され、さらにシートで保護されて材料と同様にロールで供給されるが、ベース材と同じ材料が採用される。これは、ベース材と同じ膨張、収縮率の素材を採用することで長期信頼性を保持するためである。ベース材にポリイミドが採用されることが多いのでカバーレイにもポリイミドフィルムが採用されることが多いが、接着剤が熱に対して劣化が早いために冷蔵庫などの低温条件下で保管する必要があり、保証期間は長くはない。メーカーの保証期間は3 ヶ月程度である。工程で使用する際には、低温保存の状態からすぐに使用せず、吸湿を防ぎ室温になじませるために一定時間の放置後に作業に供される。 カバーレイは、積層前にベースフィルム上で露出させる部分を加工する必要がある。予備加工にはベース材同様にトムソン型などの簡易金型が利用される場合が多い。予備加工終了後は、回路が形成されたベースフィルムと位置を合わせて仮接着をするが、フレキシブル基板は個別に回路や形状がことなる上、パターン密度も高い製品が多く位置合わせにはノウハウが必要である。インクやドライフィルムが採用されるリジット基板の大きな差異が存在する所以である。この工程も回路形成(露光)工程と同じく異物を嫌うことからクリーンルーム化されている(写真1)。当社では、パターンに対するカバーレイのクリアランスが30?50μ程度で設計されることが多く、パッセイル電子ジャパン(株)/ 赤塚 正志フレキシブルプリント配線板工場散歩 ②写真1 写真2