実装技術1月号2012年試読 page 10/24
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概要:
30海外拠点で生産した実装品における信頼性の確保 ~流出不良が増加している現状とその対策~はんだ関連技術STC ソルダリング テクノロジ センター5 粒界腐食の程度として、腐食箇所が多く腐食の深さも大きいことが....
30海外拠点で生産した実装品における信頼性の確保 ~流出不良が増加している現状とその対策~はんだ関連技術STC ソルダリング テクノロジ センター5 粒界腐食の程度として、腐食箇所が多く腐食の深さも大きいことが分かる。めっき浴の液管理やめっき条件にも原因はありそうであるが、上図の基板の場合、下地のCu めっき部に凹凸が多く、大きいことが確認できる。Ni めっき部は下地の凹凸に沿うようにめっきされているため、銅張積層板として基材を受け入れた時点で均一な鏡面ではなかった可能性が高い。粒界腐食の発生箇所は、この凹凸差の大きい個所を選択的に発生しているため、基板メーカーのめっき条件のみならず、基材メーカーでの品質改善も必要となる。 最後に 今後ますます加速していくであろう量産工程の海外拠点への移行に関して、警鐘の意味も含めて今回の記事を執筆させていただいた。もちろん海外での生産や、海外での現地調達すなわち海外の材料メーカがすべて悪いと言っているわけではない。しかし、これまで日本国内で通用していた手法や技術『のみ』では足りないとは考えている。メリット・デメリット、さらにはリスクの取り方が違ってくるのだと思われる。非常にきめ細やかな対応が必要とされるのと同時に、第2 節末の方で記述したような曖昧さを払拭していく必要がある。 こうした活動や対策にかかる工数や費用を加味すると、1 機種の海外生産だけでは国内生産よりもコストアップになってしまうだろう。だとすれば海外拠点での生産移行を決めた時点で、初期にきっちり対策・整備しておく必要がある。しかし筆者が見てきた多くの企業では、1 機種ごとに同じような問題で国内のスタッフが海外出張している現状を目の当たりにしている。生産品目数が多くなればなるほど、国内生産よりもコストメリットは出るはずであるが、こうした状況が多い中、本当にコストダウンに繋がっているかは疑問が残る。 日本の技術・品質を今後も世界トップレベルで維持していくべく、今回紹介したような海外拠点における生産や、鉛フリーはんだの信頼性に関する事例などを今後も紹介していく所存である。 今回の記事内容や、鉛フリーはんだ接合部の信頼性・実装技術に関する疑問・質問などあれば、お気軽にご相談いただきたい。 また、2012 年1 月18 日~ 20 日開催の第41 回インターネプコン ジャパンでは、キクデンインターナショナル(株)様の出展ブースにて3 日間常駐し、簡単なセミナーや技術的なアドバイスを行っている。質問・相談などこちらでも随時行っているので是非お立ち寄りいただきたい。図6 SEMによる粒界腐食観察 ②佐竹 正宏 氏